新作「SUMIRE'24」の感想
ニオイスミレ
あまり日の当たらない湿った場所が好きで、
伏し目がちに奥ゆかしく花を咲かせているけれど、
近づいたときには瞬時に魅了されてしまうほどの存在感のある芳香を漂わせている。
今回のMACOTT PARFUMの新作「SUMIRE'24」は
自社ラボラトリーで本物のスミレの花から抽出した貴重な香料を、
実際にこの香水に使っていることもスペシャルな点だ。
葉脈にも似た血管をなぞるように香水を肌にのせ。
すぐに鼻を近づけるのではなく、目を閉じてしばらく待つ。
そうすると、香りがだんだんと立ちのぼってくる。
まあるく円を描くように甘くクリーミーな香りが漂い、
森を流れる清らかな水を想起させる透明感と
あたかも本物のスミレがそばで咲いているようなパウダリー感。
それらが一つ一つ紡ぎあい、木漏れ日から光が差すように、
時折キラリと固有の表情を見せる。
スミレのもつ愛らしさ、清潔さ、艶やかさ、安らぎ。
まとう人によって香りのイメージは異なるかもしれない。
香水ファンの中にはスミレの香りが大好きで、
スミレの香水を探し集めていらっしゃる方も多いと聞く。
今回のMACOTTの新作「SUMIRE'24」もほとんど宣伝もせずに
ひっそりと限られた本数で販売しているので、
この香りがスミレ好きの方に見つけていただけるといいな・・・と思う。
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