「Jasmine Blanc'23」の感想
私がアンティアンティの香水と初めて出会ったのは、今から20年以上も前になる。
当時から香りが大好きだった私は、たまたま立ち寄ったアニヴェルセルで見かけた
パルファムに目を奪われた。
一体どんな香りなのだろうとドキドキしながらスタッフに声をかけた。
大事にセラーから取り出された香水は、宝石のように眩く輝いて見え、
実際に香りを嗅いだときに、一気に広がった生花の圧倒的な香りと色彩、
そして世界観に強い衝撃を受けた。
そのときに私は思った。
こんな香りが似合う女性になりたい、と。
すっかり心を奪われて、その日の晩は興奮して眠れなかった。
あれから数十年。
再び「こんな香りが似合う女性になりたい」。
今回の新作「Jasmine Blanc'23」の香水を嗅いだときの第一印象だ。
そして当時の記憶もともに蘇った。
肌につけると、ジャスミンの生花が肌に咲いて、花人間になったみたいと錯覚をおこす。
私は一瞬で想像の世界に旅に出る。
歩いた道跡にはジャスミンの花が零れ落ち、
サンダルウッドやローズ、イリスが加わり、さらに香りに深みと艶やかさを増す。
植物や樹々の自然の魅力を享受できる喜び。
さまざまな香りの音は共鳴しあい、さらに響きを増してのびてゆく。
そんな気持ちになる香水だった。
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